「水やり3年」という言葉があるように、植物の水やりというのは習得するまでに時間がかかるものですが、多肉植物の水やりは他の植物とは頻度や量が少し異なるため、難しく感じる方が多いと思います。
私も水やりがうまくいかず、今まで色々と試行錯誤しながら何個も苗をダメにしてきました。
そんな中でも、私なりに多肉植物の水やりで大事なポイントをいくつか掴んできました。
そこで今回は、多肉植物の水やりについてお困りの方に向けて、水やりの頻度や水の量、そしてどのような時に水やりをすれば良いのかをお話ししていきます。
私は現在800苗以上の多肉植物を管理していますが、水やりの失敗で枯らすことはほとんどなくなり、水やりのタイミングも掴めるようになってきました。
結論として水やりの大事なポイントを先にお話しすると、ずばり「苗が水を欲しがっているかを見極めること、そしてその見極めは葉の硬さを調べれば容易に分かる」ということです。
初心者さんでも水やりのコツが掴めるように分かりやすく解説していきますので、水やりの頻度が分からない方、どのくらいのお水をあげれば良いのか分からない方、水をあげたら枯れてしまった・・・という方はぜひ参考にしてみて下さい。
水やりのペースが掴めるようになりますよ♪
水やりの頻度や量は常に同じではない
まず知っておきたいこととして、多肉植物の水やりは一年中すべての苗が同じ頻度ではないということを認識しておきましょう。
なぜ水やりの頻度が変わるのか、3つのポイントに分けて説明します。
生育期と休眠期では水やりを変える必要がある
多肉植物は、春秋に生育期を迎える春秋型、夏に生育期を迎える夏型、冬に生育期を迎える冬型があります。
多肉植物はぐんぐん生長する生育期の季節にはたくさんのお水を欲しがりますが、ほとんど生長を見せない休眠期にはお水をあまり欲しがりません。
そして型によって水を欲しがる季節が異なるため、多肉植物は一年中全ての苗に同じペースで水をあげていればいいということではないんです。
その苗の成長期や休眠期に合わせたペースで水やりするのが理想です
「そんなのいちいち気にしていられない・・・」そう思った方も多いと思いますが、一般的に販売されている多肉植物は春秋型に該当するものが多い印象です。
もちろん個人の好みによって集める種類は違いますが、我が家で育てている多肉植物はエケベリアやセダムが多いのでほぼ春秋型です。
型 | 特徴 | 種類 |
春秋型 | 春と秋に活発な生長を見せるタイプ。冬は休眠期に入りほとんど動きを見せないため水やりは控えめに。 | エケベリア、クラッスラ、セダム、グラプトペタルム、ハオルチア、センペルビウム、パキフィツムなど。 |
夏型 | 夏に活発な生長を見せるタイプ。冬は低温に耐えながら休眠状態に入るため水やりは控えめに。 | アエオニウム、クレオパトラ、キランティア、アガベ、ユーフォルビアなど。 |
冬型 | 寒冷で乾燥した気候を好み、冬に活発な生長をするタイプ。夏は休眠期に入るため水やりは控えめに。 | サボテン(特に球形のもの)、アロエ、リトープス、コノフィツムなど。 |
育てていくうちに、どの苗がいつ成長期を迎えるのか自然に分かってくるので、そこまで厳密に気にすることはないと思いますが、葉数が増えたり子株があちこちから顔を出すようになったら生育期を迎えているので、水やりは鉢底から流れ出るほどたっぷりとあげるようにしましょう。
夏と冬の水やりには注意!
多肉植物の夏と冬の水やりではいくつかの注意点があり、水やりのタイミングや量を調節する必要があります。
夏と冬の水やりについてそれぞれ説明します。
夏
「夏は休眠気味になるので断水を!」との言葉を耳にすることもありますが、私はしっかりお水を吸っていたほうが強く育つと感じているので、夏もしっかり水やりをしています。
水を切らし過ぎると葉焼けのリスクも上がります
真夏の高温で鉢の中はすぐに乾くのでわりと頻回(5日に1回くらい)にお水やりをしていますが、高温多湿による蒸れが気になるのですぐに乾く程度の水の量をあげています。
具体的には鉢半分程度が濡れるくらいを目安にしています。
問題は、水やりのタイミングです。
真夏の水やりは、気温が落ち着いた夕方以降に行います。
朝や昼間に水やりしてしまうと高温で蒸れや根を傷める可能性があるので、必ず水やりは気温が下がってから行うようにしましょう。
▼夏の水やりについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫夏越しのために必要なこととは?多肉植物の夏の育て方
冬
冬の水やりで気をつけなければならないのは凍結です。
多肉植物は葉に水分をたくさん蓄えているため、気温が氷点下になると凍結することがあります。
凍結すると最悪の場合枯れてしまうこともあるため、寒波が来るようなときは水を切らしてなるべく葉の水分を抜いておくようにします。
寒い地域では断水したり、室内での管理になります
私が住む神奈川県は、氷点下になったとしても-3度程度ですが、防寒対策をしても毎年いくつか凍らせてしまいます。
凍結すると透き通った色になり、触るとぶよぶよしています。
自然解凍で復活することも多いですが、そのまま枯れてしまうこともあるので、よく天気予報を見て水やりの加減をしてあげることが凍結を防ぐことに繋がります。
水やりは昼間の温かい時間に少量あげ、夜にはほとんど乾いているのが理想的です。
冬に生育期を迎える苗も、凍結に気を付けながら水やりするようにしましょう。
育てる環境に合った水やりをする
自宅の庭やベランダで多肉植物を育てる方が多いと思いますが、日当たり具合い、風通し、屋根の有無など、育てる環境にはそれぞれ違いがあります。
この環境の違いによって水やりの仕方にも違いが出てきます
例えば、日の出から日没まで日光が当たる環境と、一日数時間しか日光が当たらない環境では土の乾くスピードが違うため水やりの頻度も当然異なってきます。
また、風通しの良い環境と空気がこもりやすい環境でも土の渇きは異なります。
このような環境の違いで水やりの頻度が変わってくるので、多肉植物を育てている環境がどのような環境なのかをしっかり把握し、その環境に合った水やりをすることが大切になります。
水やりのタイミングを簡単に見極める方法
水やりの頻度や量は、多肉植物の種類や季節、そして育てる環境によって異なってくるとお話ししてきましたが、これらを踏まえながら水やりをするのは容易なことではないですよね。
なんだかめんどくさいと思った方も多いはず。。。
でも安心してください!
簡単に水やりのタイミングを見極める方法があります。
それは「外葉を触ってみて柔らかければ水をあげる」ということです。
多肉植物は葉に水分を蓄えているので、水が必要になったら自身の水を外葉から使っていきます。
そしてどんどん使っていくうちに外葉から蓄えた水分が減っていき、葉を触るとふにゃふにゃと柔らかくなってきます。
そこが水やりのタイミング!
外葉が柔らかくなってきたら、苗が水を欲しがっているサインです。
観葉植物で例えると、葉が少し下を向き始めた時でしょうか。
「土が乾いたら水をあげる」との話もよく聞きますが、私が水やりのタイミングで重要だと思うポイントは「苗が水を欲しがる時」だと思います。
土が乾いていても葉が硬ければ水やりしなくても大丈夫です。
葉の硬さなら触ればすぐに分かるし、水分が抜けてくると外葉からしわが寄ってくるので見ただけですぐに分かるようになります。
これは葉の水分が抜けてきてしわが寄ってきた状態。
しわが寄っていても水やりをしないと、更に葉の水分が抜けていきます。
ここまでふにゃふにゃにしてしまうと、水をあげても元に戻すのは難しいですね。
多肉植物の水やりは土の乾きや日数で決めるのではなく、葉を触ってみて柔らかくなっていたら行います。
そうすれば水やりのタイミングが分かりやすくなり、水やりの頻度も掴めてくると思います。
まとめ
ということで、今回は水やりの頻度やそのタイミングについてご紹介しました。
冒頭でもお話ししましたが、「水やり3年」という言葉があるように水やりを習得するには時間がかかります。
特に、多肉植物は他の植物とは水やりの感覚が違うため、今までお花や観葉植物しか育てたことがないという方には少し難しく感じるかもしれません。
もちろん私も悪戦苦闘したし、今でも色々研究中です
でも、のんびりと育っていく多肉植物のように、水やりも焦らずゆっくりとコツをつかんでいけば良いと思います。
失敗を重ねていくうちに経験が積み上がっていきます。
その経験が成功や多肉植物を育てる楽しさへと導いてくれるので、まずは失敗を恐れずどんどん試してチャレンジしてみましょう。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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