多肉植物を育てる上で、どうしても避けて通れないのが蒸れとの闘いです。
多肉植物は非常に蒸れに弱く、特に高温多湿になる夏は蒸れによって枯らしてしまうことも多くなってきます。
お気に入りの苗を蒸れから守るためにも、蒸れる原因や予防法などはしっかり理解しておきたいですよね。
そこで今回は、多肉植物にとって最大の敵である「蒸れ」について、その原因や対策法など詳しく解説していきます。
しっかり対策をしていても、環境や天候の変化などによって蒸れやすい状況になってしまうことは多々あり、多肉植物を蒸れから完全に守ることはできません。
しかし、蒸れる原因を把握し、できる限りの対策をしていれば被害を少なくすることは可能です。
初心者さんにも分かりやすく、蒸れとはどういうものなのか、蒸れを防ぐにはどうすれば良いのかなど詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
多肉植物が蒸れる原因
高温多湿の環境下において、多肉植物が蒸れてしまう原因には以下のものが考えられます。
蒸れる原因として一番多いのが水のやりすぎです。
一回の水やりの量が多すぎると、土がなかなか乾かずずっと濡れたままになるため非常に蒸れやすい状態となってしまいます。
多肉植物は乾燥気味に育てるため、水をあげすぎたり保水性の高い土を使うことはあまり好ましくありません。
また、乾燥気味に育てる為には風が不可欠になります。
風通しの良い環境で育てることで、土の乾きを良くして湿度の上昇を防ぐことができるからです。
風通しを良くするためにも過密の状態は避けるようにしよう!
過密というのは、鉢と鉢の間隔が近すぎたり、鉢の中で苗同士が混み合っている状態の事を指します。
混み合っていなくても、葉と葉が接しただけで蒸れてしまう苗もあります。
とにかく、高温多湿を助長させるような状況を作らないことが大事だね!
しかし、これらの原因ですべてが蒸れてしまうかというとそうではありません。
例えば水をやりすぎてしまったからと言って全部蒸れてしまうわけではないですし、保水性のある土を使っている苗だけがどんどん蒸れるかというとそんなことはありません。
個人的な考察ですが、蒸れはこれらの原因が重なってしまった時に一気にリスクが高まり、苗に蒸れの被害が起こるのかなと考えています。
例えば・・・
- 保湿性の高い土に植えた苗に水をやりすぎてしまった
- たっぷり水やりをした後に無風になった
- 密に植えてある鉢を雨ざらしにした
ただし、一つでも蒸れる原因があればリスクが高まることに違いはありません。
蒸れによる被害に遭わないためには、少しでも原因を取り除いておく必要があります。
「蒸れ」と「枯れ」の違い
葉が茶色になっているのを見た時、蒸れているのか?それとも枯れてきているのか?と分からない場合もあると思います。
「蒸れ」と「枯れ」では原因と症状が違います
【蒸れ】
原因:過湿、無風、過密など
症状:葉が黄色や茶色に変色し、ブヨブヨと柔らかくなって腐っていく
【枯れ】
原因:水分不足、過乾燥など
症状:葉の水分がなくなり、カリカリに硬くなって萎んでいく
「蒸れ」も「枯れ」もどちらも葉が茶色に変色していきますが、見た目と感触でその違いがはっきり分かります。
蒸れた場合は葉が透明でグミのようにブヨブヨと柔らかくなり、いわゆるジュレた状態になります。
酷くなると黒く変色してくることも。。。
葉の細胞が破壊され、徐々に周りの葉にも広がっていくことがあるので早急に対処が必要です。
逆に、枯れた場合は葉の水分がなくなりカリカリに硬くなっていきます。
外側の葉から枯れていくのが特徴ですが、苗が元気なら単に役目を終えて自然に枯れた葉なので心配することはありません。
葉がどんどん枯れてくるような場合は水不足が考えられるので、水やりの量や頻度を見直すようにしましょう。
蒸れてしまった時の対処法
葉がブヨブヨして蒸れてしまった場合は、蒸れた葉をすべて取り除いてとにかく苗を乾燥させることが大事です。
しばらく水やりを控え、風通しの良い場所に置いて様子を見ます。
土が濡れている場合は、鉢から取り出せば早く乾燥させることができます。
念のため、ベニカスプレーで殺菌しておくと安心です。
1週間程度様子を見て、蒸れが進行していなければ元の管理に戻していきます。
もし、蒸れが進行して茎まで黒くなっているような場合は、苗をカットして黒く変色した部分をすべて取り除く必要があります。
少しでも黒い部分が残っているとそこからまた広がっていくので、茎がきれいな色になるまでしっかりと取り除くようにしましょう。
このくらい綺麗に取れれば安心です。
根はありませんが、土の上に置いておけばやがて発根してくるので、それまでは直射日光を避けた明るい場所に置いて養生させます。
蒸れを防ぐためにできること
蒸れを防ぐためには、高温多湿の環境を作らないことが大切になります。
その高温多湿を防ぐために必要なお手入れやコツについて、実際に私が効果を感じている方法をご紹介していきます。
風通しを良くする
蒸れに弱い多肉植物にとって風は欠かせないものです。
風が吹くことで空気を循環させ、蒸れやカビの繁殖を防ぐことができます。
多肉植物の置き場所はできるだけ風通しの良い場所を選び、塀で囲まれたり風を塞ぐようなものがある場所は避けるようにしましょう。
排水性の良い土を使う
水やりをした後に、いつまでも土が濡れていると蒸れを起こしやすくなります。
そのため、多肉植物は排水性に優れた土を使うと安全です。
排水性の良い土には鹿沼土や日向土などがあり、これらが多く含まれる配合土がおすすめになりますが、よく分からない場合は多肉植物専用の土として販売されてる土を使うようにしましょう。
中でも私がおすすめなのがさぼてん多肉植物の土になります。
▼多肉植物の土についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫多肉植物の土は何が良い?初心者さんにおすすめする市販の多肉植物専用の土
適度な水やり
夏の水やりは少量頻回がおすすめです。
たっぷりの水やりをしてしまうとなかなか土が乾かず、そこへ高温がプラスされることで蒸れる確率が高くなってしまいます。
水やりは鉢の半分程度を目安にして、乾いたらまた水やりをするというサイクルを繰り返していきます。
ただし、少量頻回といっても苗が水をしっかり吸えていなかったら意味がありません。
苗が水を吸っていない場合はもう少し水の量を増やしてみましょう
水やりが足りず苗がフニャフニャの状態では夏の暑さに勝てず、葉に水分が少ない分、内部の温度が高温になり蒸れやすくなってしまいます。
少ない量の水やりでも、鉢に重さを感じる程度の水やりは必要です。
水やりの翌日に苗が水を吸って硬くなっていることをしっかり確認するようにしましょう。
▼夏の水やりについてはこちらの記事も参考にしてください
≫多肉植物に水やりすぎてない?苗に異変が起きた時の対処法と枯らさないコツ
枯れ葉を取る
土と葉の間は蒸れやすい空間となります。
ここに枯葉が溜まっていると湿気がこもり、蒸れやカビの原因になります。
できるだけ枯葉を見付けたら取り除いて、株元をスッキリさせるようにしましょう。
地面から離して置く
夏の地面はかなりの高温になっているので、多肉植物を地面に置いてしまうと苗自体も高温になります。
特に照り返しがあるアスファルトは危険です
多肉植物は葉に水分を蓄えているため、あまりにも高温になると内部が煮えるような状態になってしまいます。
できるだけ地面に直置きせず、地面の熱が届かないような高さのある場所に置くようにしましょう。
毎日観察する
蒸れが起こると葉が変色したりブヨブヨとやわらかくなったりと目に見える変化が起こります。
蒸れを防ぐ為には、この変化をいかに早く察知し対処できるかがとても大切になってきます。
発見が遅れると最悪枯れてしまうことも。。。
異変に早く気付くためには、毎日観察することが大切です。
毎日観察することで蒸れが起きても早期に発見することができ、水やりを控えたり蒸れない環境に移動させるなど、早めの対処をすることができます。
多少葉がやられていても、早く対処すれば苗が枯れる確率はぐっと下がります。
毎日苗の観察をして、いち早く異変に気付けるようにしましょう。
まとめ
ということで今回は、多肉植物が蒸れる原因やその対処法についてご紹介しました。
多肉植物を蒸れから守るには、とにかく高温多湿の環境を作らないことが大切です。
日本の夏は高温多湿が基本なので、蒸れを防ぐには少し難しい部分もありますが、少しでも蒸れる確率を下げるためにもできる限りの対策は必要になると思います。
しっかり対策したら、あとはその個体の強さと運に任せましょう!
多くの多肉植物は、夏は休眠していると言われていますが、それでも水をしっかり吸わせてあげることはとても大事だと感じています。
フニャフニャの苗では今の夏は越えられません。
そして、ガチガチになるほど水を吸っている苗は蒸れにくく強いです。
水のあげすぎは蒸れの原因になるので気を付けなければなりませんが、それ以前にしっかり水を吸わせることを忘れず、強い苗に育ててあげることを意識しながら対策していきましょう。
▼ポチっと応援お願いします!
にほんブログ村
コメント