夏は多肉植物を育てるにあたって注意すべきことがいくつかありますが、その中の一つに葉焼けがあります。
葉焼けを起こすと場合によっては枯れてしまうこともあるので、しっかり対策をしていく必要があります。
我が家でも今までいくつも葉焼けさせてしまったことがあるのでしっかり対策していますよ!
そこで今回は、夏の管理で注意したい葉焼けについて解説していきます。
葉焼けすると、焦げてしまった葉は元に戻ることはありませんが、症状が軽ければ時間をかけてまた綺麗な苗に復活させることは可能です。
この記事では、葉焼けの原因や対策、葉焼けした時の対処法について詳しく解説していきますので、初めて夏を迎える方や、うっかり葉焼けさせてしまったという方はぜひ参考にしてみて下さい。
多肉植物の葉焼けとは?
葉焼けとは、強い日光に当たることで葉の細胞が破壊され、葉の表面が変色して焦げた状態になる事をいいます。
人間で言うと火傷と同じ状態ですね!
症状は様々で、葉の一部が茶色くなるだけの場合や、苗全体が黒く焦げてしまい枯れてしまうような場合もあります。
葉焼けの症状はダニ被害と間違われやすいですが、よく観察すると違いが分かります。
■ダニの症状
黒い点が葉の裏まで広がり触るとデコボコしている
■葉焼けの症状
葉の表面が茶色や黒に変色し、日光が当たらない葉の裏などは変色していない
日光に当たる部分だけ変色するのが葉焼けの特徴です。
葉の裏や葉と葉の間など、日光が当たらない部分が黒くなっている場合は虫などの被害が考えられます。
葉焼けを引き起こす原因
多肉植物の葉焼けを引き起こす原因は直射日光にあります。
しかし、本来多肉植物に日光は欠かせないものです。
いったいどんな場合に葉焼けを引き起こすのか解説していきます。
強すぎる直射日光
葉焼けの一番の原因は強すぎる直射日光に当たり続けることにあります。
夏の直射日光は人間が日焼けするのと同じように、多肉植物にとっても焼けてしまう程強いものです。
人間の日焼けは徐々に回復していきますが、多肉植物は一度葉焼けしてしまうとその部分はもう元に戻ることはありません。
綺麗に生長してたのに焦がしてしまった時のショックといったらもう。。。
夏の日光は11時~15時頃がもっとも日差しが強い時間帯になります。
この時間帯に直射日光を浴び続けてしまうと葉焼けのリスクが高まるので注意が必要です。
急激な天候の変化
葉焼けの原因は直射日光にあるため、曇りや雨の日は葉焼け対策をする必要がありません。
しかし、夏の天気というのは変わりやすいものです。
朝は土砂降りの雨だったのに、昼には晴れてカンカン照りになったなんてこともよくあります。
対策せずに出かけたら一気にやられちゃうよね。。。
そうした急な天気の変化によって葉焼けを起こすことがわりと多いです。
また、梅雨明けのような天気に大きな変化があるときも注意が必要です。
それまで日差しがない日が続いていたのに、急に強い日差しが降り注ぐと耐性の付いていない葉が一気に焼けてしまうことがあります。
日陰管理からいきなりの直射日光
屋内で販売されていた苗や、植え替えや挿し木をしたばかりのような苗はしばらく日の当たらない場所で管理することがあります。
そのような苗をいきなり直射日光に当ててしまうと葉焼けしてしまいます。
日光に慣れていない状態では、それほど強い日差しではなくても焼けてしまうことがあるので注意しましょう。
鉢の配置換えなどの際にも注意です!
鉢を配置換えしたり向きを変えることで、今まで日光に当たっていなかった葉がいきなり直射日光を浴びることによって葉焼けしてしまうこともあるので注意が必要です。
カット後の直射日光
挿し木や胴切りをすると、今まで日光に当たっていなかった部分があらわになり、そこに直射日光が当たることで葉焼けをすることがあります。
胴切りなどした場合はいきなり日光に当てることはせず、時間をかけて徐々に日光に慣らすようにしましょう。
葉挿しも日光に弱いです!
葉挿しも日光に当たっていなかった部分があらわになる上に、まだ根がなかったりで非常に弱い状態です。
そこへ強い直射日光が当たると一発でダメになってしまうことがよくあります。
まだ根も芽も出ていないような葉挿しは、必ず直射日光の当たらない場所で管理するようにしましょう。
▼葉挿しの管理方法についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい
≫【多肉植物】根が出るまでは?根が出たらどうする?葉挿しの育て方を徹底解説!
水切れ
多肉植物は葉にたくさんの水分を蓄えている植物ですが、水やりが少ないと蓄えた水分を使って生きようとするため、徐々に葉の水分量が減りシワシワでフニャフニャと柔らかい状態になります。
このような葉の水分量が少ない状態で直射日光が当たるととても葉焼けしやすくなります。
夏の水やりは蒸れを恐れて少なめにあげることが多くなると思いますが、あまりにも水を切ってしまうと葉焼けのリスクが高くなってしまうので、シワシワになるほどの少ない水やりは避けるようにしましょう。
葉焼けしやすい品種
多肉植物の品種によっては葉焼けしやすいものがあります。
その代表的なものが斑入り種です。
白い部分は色素が薄いため非常に葉焼けしやすく、少し油断するとすぐに葉焼けしてしまいます。
斑入りの品種は他の品種よりも慎重に葉焼け対策をしてあげる必要があります。
葉焼けを防ぐための対策法
葉焼けを防ぐために気を付けることやできる対策についてご紹介していきます。
遮光する
葉焼けは強い直射日光に当たり続けることが原因なので、適度な光量まで落とすために日光を遮ることが一番の対策になります。
遮光シートなどを使って、多肉植物が置いてある棚全体を遮光します。
遮光シートを使う場合は遮光率40~50%程度のものを使用し、風通りを塞がないように棚から離して設置するのがコツです。
遮光シートはずっと付けっぱなしでも構いませんが、できれば日光が強い時間帯だけ遮光してあげるのがベストだと思います。
遮光シートは100均でも販売されていますが、多くのタニラーさんが愛用されているクールホワイトが人気のようです。
しかし、すべての苗に遮光が必要とは限りません!
我が家では庭の多肉には遮光が必要ですが、ベランダの多肉は遮光しなくても全く葉焼けしません。
なぜ葉焼けしないのかというと、我が家のベランダは非常に日当たりが良く、一年中日の出から日の入りまでずっと直射日光が当たるので、ベランダに置いている多肉たちは日光への耐性が付いていて非常に強い苗に育っていると思われます。
このように、日光に対して強い耐性が備わっていれば葉焼け対策は必要ありません。
つまり、全ての多肉植物に葉焼け対策が絶対必要だということではないということです。
ここ数年、日本の暑さは災害レベルだと言われているため葉焼け対策が必要な場合がほとんどだとは思いますが、ご自宅の環境によって葉焼け対策が必要かどうかは変わってきます。
初めて夏を迎える場合は念のため遮光しておくことをおすすめしますが、もし苗が徒長するようであれば日光不足が考えられるので、遮光時間や遮光率、遮光自体をやめるなどの見直しが必要になると思います。
▼遮光についてはこちらの記事も参考にしてください
≫夏越しのために必要なこととは?多肉植物の夏の育て方
置き場所を変える
直射日光が当たらず、柔らかい日差しのみが当たるような場所がある場合、そちらに移動してあげれば葉焼けを防ぐことができます。
そんな都合のいい場所はなかなかないかもしれませんが、例えば午前中だけ日当たりが良く、午後は日陰になるような場所でも葉焼けは防ぐことができると思いますし、実際に我が家でもそのような場所に置いている苗があります。
朝から昼まで日光が当たるので徒長もしていません
しかし、一日中日陰になるような場所は避けるようにしましょう。
葉焼けを防ぐ為とは言え、一日中まったく日の当たらない日陰に置いてしまうとさすがに徒長してしまいます。
一日を通してどのくらい日が当たるのかを確認してから置き場所を決めるようにしましょう。
断水しない
多肉植物は夏に休眠期を迎えるため断水させたほうが良いという情報もありますが、あまりにも水を切りすぎると非常に葉焼けしやすくなってしまいます。
今までの経験から言うと、水やりをしばらく怠ってしまった時に葉焼けを起こすことが圧倒的に多いと感じています。
夏でも水やりは必要です!
葉がシワシワになるほど水を切ってしまうと、今まで耐えることができていた光量でもあっという間に焼けてしまうことがあるので、夏でも断水せずしっかり水を吸わせておくことが大事です。
天気予報をチェックする
多肉植物を育てていく上で天気予報のチェックは欠かせないものですが、夏は特に天候が急変しやすいため毎日のチェックが欠かせません。
雨は降るのか?気温はどのくらい上がるのか?なども気になるところですが、特に一日の中で天候の変化があるのかをチェックしておきましょう。
一日中遮光している場合は良いですが、曇りや雨の日は遮光を外している場合、急な晴天で葉焼けを起こすことがあります。
雨だから大丈夫だろうと思ってたら、急に晴れて直射日光をガンガン浴びちゃうことって結構あるあるなんだよね
我が家では太陽が出ていないときは少しでも明るくするため遮光を外して外出することが多いですが、天気予報を確認しなかったためにその後の天候回復を予測できず焦がしてしまった・・・なんてことがよくあります。
あくまでも予報なので確実ではないですが、できれば天気予報は毎朝確認して、一日を通してどんな天候の変化があるのかをしっかりチェックしておくことをおすすめします。
太陽の位置に注意する
今まで経験した中で、一番盲点になるのは太陽の位置だと思っています。
太陽は常に動いているため、少しずつですが日を追うごとに日向の位置が変化します。
つまり、今まで日陰だったところが知らない間に日向になっていたということが起こるようになります。
そこで葉焼けする多肉が多発するんです。
特に注意したいのが9月頃!
9月というと暑さのピークが過ぎて涼しい日が増え始めるため、葉焼けへの意識もだんだん薄らいでくるころです。
そこへ太陽の位置が変わることも重なり、油断して直射日光を浴びせてしまうことがよくあります。
秋の気配を感じるとはいえ、9月はまだまだ暑い日も多く日光も依然強いままです。
定期的に日光の当たり具合を確認し、直射日光が当たっていないかチェックすることが大切になります。
葉焼けしたらどうする?症状別の対処法
葉焼け対策をしていても、うっかり焦がしてしまうことはよくあることです。
そこで、症状が軽い場合と、葉が枯れてしまうような症状の場合のそれぞれの対処法についてご紹介していきます。
症状が軽ければ基本的に放置でOK
葉の一部だけが焦げた場合は、基本的にはそのまま放置していても大丈夫です。
焼けた葉の症状が他の葉に広がることはないのでそのまま様子を見るようにしましょう。
焦げた苗を慌てて日陰に移したくなるかもしれませんが、多少焦げてもそのまま置いておいたほうが丈夫な株に育ちます。
日陰に移して過保護にすると、いつまでたっても日光に弱い苗になってしまいます
もちろん焼けてしまった原因をきちんと取り除き、どんどん焦げたり苗が弱るようであれば一旦日陰に避難した方が良いですが、特に変化がなければそのまま放置しておきましょう。
焦げた葉はやがて生長するとともに外葉へと移り、役目を終えて枯れていきます。
時間はかかりますが、焦げた葉が枯れればまた元の綺麗な苗に復活することは可能です。
しかし、どうしても焦げた部分が気になる場合は、焦げた葉を取って葉挿しとして使うと良いと思います。
成功率は下がるかもしれませんが、捨てるくらいなら葉挿しにチャレンジしてみましょう。
▼葉挿しについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫多肉植物を増やそう!初めてでもできる葉挿しの仕方を徹底解説
焼けた葉が枯れた場合は仕立て直す
茶色に変色した葉がどんどんシワシワになる場合は、そのままその葉は枯れてしまうことが多いです。
細胞が破壊されてしまい元に戻ることはないので、どんどん萎むようなら取り除いてしまいましょう。
枯れた葉だけを取り除くと苗の形が歪になりますが、気になるようなら仕立て直せば大丈夫です。
これは一例ですが、中心部分の葉を焦げてしまい葉が丸まって不格好になったので葉を取り除いてみました。
生長点を取り除き、新たに中心から新芽を出させる作戦です。
多肉植物は生長点をなくすと中心から新しい芽を出しますよ♪
2週間後に確認したら、中心からモリモリと新芽が1つ出ていました。
複数出てきたら群生株にしようと思ったんですが、1つだったのでこのままこの新芽を大きく育てたいと思います。
このように、葉が枯れるほどの葉焼けをしてしまっても、苗が生きていれば綺麗に仕立て直すことができます。
もちろん、苗全体が真っ黒に焦げてしまった場合はそのまま枯れてしまう可能性が高くなってしまうので、そうならないためにもできるだけの対策をしてあげるようにしましょう。
まとめ
ということで今回は、葉焼けの原因や対策、葉焼けした時の対処法についてご紹介しました。
毎年葉焼け対策をしっかりしているつもりですが、それでも必ずいくつか焦がしてしまうものです。
不意打ちで日光に当たってしまうことなんてざらにありますし、このくらいなら焼けないだろうと思ってたら見事にこんがり焼けてしまったという失敗も多々あります。
でも、基本的には葉焼けで枯れてしまうことはあまりないですし(程度による)、葉はいつか枯れていくものなのでそこまで気にしていません。
葉焼けを恐れるあまりに日光不足となり、徒長させてしまう方が私にとっては怖いことです。
基本的に多肉植物には日光が必要なので、過度な対策はせずに、その環境と苗の強さに合った対策をすることがベストかなと思っています。
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