多肉植物にとって夏は一番過酷な季節となります。
高温、多湿、強い日差しと、育てていく上で気を付けなければならないことが増えるためとても気を使う季節になります。
夏は他の季節よりも注意することがいっぱい!
ということで今回は、多肉植物の夏の育て方についてご紹介していきます。
特に、絶対知っておきたい水やり・日光・風について徹底解説し、加えて夏にやっておきたいお手入れについてもご紹介していきます。
多肉植物を育て始めて何度も夏を経験していますが、やはり夏のお世話が一番難しいと感じています。
しかし、水やり、日光、風を考慮したお世話ができれば夏越しはぐっと楽になります。
初心者さんにも分かりやすく解説していきますので、初めて夏越しをするという方はぜひ最後までご覧になってください。
我が家の遮光方法も詳しくご紹介しています!
断水はNG!少量頻回の水やりを
夏の水やりは春の水やり方法とは大きく異なります。
夏の水やりで重要なポイントを詳しくご紹介していきます!
休眠期でも断水しない
多肉植物の多くは夏に休眠期を迎え生長が緩やかになり、水やりについては「夏は断水する」という情報もありますが、私はおすすめしません。
休眠期に入っても苗は生きています
休眠期といっても水を吸わないわけではないですし、生きている以上お水は必要です。
私が初めて夏を迎えた時は断水気味にして管理していましたが、みるみるうちに苗が小さくなり、シワシワになった葉は元に戻ることなく苗が弱っていきました。
夏の断水は危険だと判断し、それ以来夏でもしっかりお水を与えています。
しかし、春のようにしっかりたっぷりのお水を与えるわけではありません。
夏には夏の与え方があります。
夏の水やりは少量頻回が基本!
夏の水やりは少量頻回で行うのがおすすめです。
春と同じようにたっぷりの水をあげてしまうと、なかなか土が乾かずに蒸れて苗にダメージを与えてしまうことがあります。
そのため、1回の水やりの量はいっぱいではなく少量を与えるようにします。
だいたい土の半分が濡れる程度を目安に!
与える水の量が少ないので、持っている苗の数が少ないなら洗浄瓶などを使って水やりするととてもやりやすいです。
半透明のポリポットだと水がどこまで入ったのかよく見えるので便利です。
水が足りているか心配に思う方もいると思いますが、すぐ乾く程度の水しか与えない分、水やりの回数を増やしていきます。
【例】
- 春…たっぷりの水を10日に1回
- 夏…少量の水を5日に1回
実際の回数は環境によって違いますが、少量頻回にすることで暑さによるダメージを避けつつ苗に充分な水を吸わせることができます。
しっかり苗にお水を吸わせることが大事です!水やりが足りてないと感じたらもう少しお水の量を増やしてみよう!
水やりは夕方以降の涼しい時間に
夏の水やりは、気温が高い時間帯を避けて夕方以降の涼しい時間帯に行うようにしましょう。
気温が高い時間帯に水を与えてしまうと、あっという間に水が熱くなってしまい苗にダメージを与えてしまいます。
朝の涼しい時間も、これから気温が上がっていくタイミングなので避けたほうが安心です
夏の水やりで大事なことは鉢が濡れている時に気温が下がっていることです。
欲を言うと、夕方以降の水やりに加えて、水やりした次の日の気温がいつもよりも下がっているとベストなタイミングとなります。
例えば、天気予報で次の日が曇りや雨で気温が下がると言っていたら、その日の夕方が水やりチャンスになります。
絶対条件ではないですが、そのようなベストタイミングを見逃さないためにも、普段からこまめに天気予報をチェックするようにしましょう。
直射日光を避け遮光しよう!
夏の日差しは多肉植物にとっては強すぎるため日よけ対策が必要になります。
その対策方法について詳しく解説します。
直射日光による葉焼けに注意!
多肉植物はよく日の当たる場所に置くのが基本ですが、夏だけは注意が必要です。
夏の強い直射日光に当たってしまうと葉焼けを起こしてしまうことがあるからです。
葉焼けしてしまうと茶色に変色した部分は元には戻りません。
このように葉の一部が少し茶色になるくらいなら放っておいても大丈夫ですが、丸焦げのように茶色くなったり中心部をやられてしまうと枯れてしまうことがあります。
このような葉焼けを防ぐには、強い直射日光が当たらないように遮光することが必要です。
日陰に苗を移しても葉焼けを防ぐことはできますが、まったく日光が当たらないと徒長してしまいます。
多肉植物に適度な日光を浴びせつつも葉焼けを防ぐ為には遮光することが一番の対策になります。
突然の強い日差しなどによって一日で焦げてしまうこともあるので、早めに対策しておくことをおすすめします。
ゴールデンウィークくらいから遮光の準備をしておこう!
▼葉焼けについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫焦げても復活できる!多肉植物の葉焼け被害と対処法
遮光方法は置き場所や環境によって違う
一般的な遮光方法としては、遮光シートなどで多肉植物に当たる直射日光を遮ります。
一般的には、多肉植物に使う遮光シートは遮光率40~50%程度のものが良いとされています。
手を当てるとこの程度透けて見えます。
ホームセンターや100均でも遮光シートが販売されているので、必要な大きさを計ってから購入するようにしましょう。
ちなみに、遮光率や遮光する時間帯はその置き場所や環境によって異なります。
例えば、日光は当たるけど朝のみの短時間である場合や、柔らかい日光しか当たらないような場合は、もっと低い遮光率のシートを使ったり、そもそも遮光対策自体が必要ないこともあります。
逆に遮光しすぎると日光が足りずに徒長してしまうので、その置き場所にどの程度の遮光が必要なのかを知ることが大切です。
しかし、初めて夏を迎える場合は分からないと思いますので、まずは直射日光の当たる時間帯に遮光率40~50%程度の遮光シートで対策してあげると良いと思います。
そして、夏の日差しがどの程度苗に当たって、どの程度の対策が必要なのかをよく観察し、来年の夏の対策にその経験を活かすと良いと思います。
多少葉焼けさせても大丈夫!それも良い経験になります♪
我が家の遮光方法
参考までに、我が家の遮光方法についてご紹介します。
我が家の主な多肉置き場と遮光方法は以下の通りです。
※遮光時間は不在などの都合によって前後することも多々あり
【南向き多肉棚】
午前11時から午後5時半まで直射日光が当たる。
午前11時から午後3時まで遮光率50%で遮光。
【フェンスのハンギング】
午前7時から午後1時まで薄日。以後日没まで直射日光。
午後のみ遮光率50%で遮光。
【ベランダ】
日の出から日没まで直射日光。
遮光なし。
南向き多肉棚
我が家の中で一番日当たりの良い多肉置き場になります。
棚全体が遮光できるように大きな遮光シートを繋げて使っています。
風の通りを良くするために、棚との空間を空けて設置しています。
遮光しても適度に日光が当たるため徒長しません。
ここは午後5時半頃まで直射日光が当たりますが、夕方の日差しは大して強くないので遮光するのは午後3時くらいまでにしています。
なるべく日光に当てたいので直射日光を浴びる時間も作っています
フェンスのハンギング
午前中はフェンスが適度な影を作るため遮光はしません。
時間帯によってはフェンスの隙間から強い日差しが当たり多少葉焼けをすることもありますが、丸焦げにはならないのであまり気にしていません。
午後は基本的には遮光しますが、強い日差しが当たる時間が少ないため場合によっては遮光しない時もあります。
ベランダ
ベランダは一日中直射日光が当たりますが一切遮光しません。
遮光しなくても葉焼けしたことがないのでそのまま置いています。
推測ですが、ここは一年中、日の出から日没まで直射日光が当たる場所なため苗がとても強く育っているか、強い日光に対して耐性ができているのではないかと思っています。
病気などの被害に遭ったこともないので、やはりたくさん日光に当てた苗は強いのかもしれません。
蒸れは大敵!風通しを良くしよう
湿気を嫌う多肉植物にとって夏は蒸れとの闘いになります。
蒸れを防ぐにはとにかく風が大事です。
蒸れると枯れる原因に
多肉植物は非常に蒸れに弱く、枯れる一番の原因は蒸れではないかと個人的には思っています。
なぜ蒸れると枯れる原因になるのかというと、高温多湿な環境下で蒸れが生じると菌により葉っぱの組織が破壊され、葉っぱがぶよぶよに柔らかくなり黄色っぽく変色してきます。
ぶよぶよで透き通った状態になることから「ジュレる」と呼ばれていますよ
ジュレてしまった葉は元には戻らずポロポロと落ちていき、中心に向かってどんどん被害が広がりあっという間に手遅れの状態になってしまうんです。
茎までやられると枯れてしまう可能性が高くなるので、ジュレた葉を見付けたらすぐに取り除き、茎がやられていないか確かめて適切に処置することが大切です。
▼蒸れについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫【多肉植物】なぜ蒸れる?原因・対処法・予防法を徹底解説!
いつも以上に風通しを良くしよう
蒸れを防ぐために一番大切なことは風通しを良くすることです。
空気が流れることによって蒸れやすい加湿状態を改善することができます。
しかし、蒸れ対策をしていても風が止まる時はありますし、どうしても風通しの悪い場所にしか置けないということもあると思います。
そのような場合はサーキュレーターを活用すると便利です。
屋外でも使えるコードレス機種がたくさん販売されていますので、どうしても苗が蒸れてダメになりやすいという場合は活用してみると良いと思います。
棚に挟めるクリップタイプや角度調節が自由自在なものなどを選ぶと使い勝手が良さそうですね。
夏にしておきたいお手入れ
ここでは、夏を乗り切るためにしておきたいお手入れについてご紹介します。
できれば夏本番を迎える前から準備しておきましょう!
害虫対策
気温が20℃を越えてくると虫が活発に動き始めます。
多肉植物に被害をもたらす害虫は、おもにカイガラムシとハダニです。
夏はこれらの害虫の発生が多くなるため、薬剤散布などの害虫対策をしておくことをおすすめします。
カイガラムシは白い数ミリ程度の小さな虫ですが、多肉植物の栄養を吸い取り、葉が変色したり苗全体の元気がなくなるなどの被害をもたらします。
カイガラムシには、オルトランDXやベニカXガード粒剤などを土に撒くことで効果的に防虫することができます。
また、カイガラムシは乾燥を好むため、定期的に株全体に水をかけるだけでも防虫効果が期待できます。
定期的に水を頭からかけるように水やりしましょう
ハダニは目視することが難しいほど小さく、被害に遭うと葉に黒い点々が付き外葉から枯れていきます。
葉焼けとの見分けが難しい場合もありますが、日光が当たらないような葉の内側にも黒い点々が見られたらハダニ被害の可能性が高いです。
ハダニ対策には、ハダニ専用の薬剤を使用するのがおすすめです。
ダニ太郎やバロックなどが販売されているので、それぞれ使いやすさなどで選ぶと良いと思います。
カイガラムシとハダニの対策についてお話しましたが、結局よく分からない…という場合は、ベニカxネクストスプレーを1本持っておきましょう。
殺虫殺菌効果があり、カイガラムシにもハダニにも効果があります。
病気の予防効果もあり広い用途で使えるため1本あると非常に便利です。
私も葉がジュレたり害虫被害を見つけた時はすぐにスプレーしたり、予防として定期的にスプレーしたりととても重宝しています。
枯葉取り
春に引き続き、枯葉取りをこまめにすることをおすすめします。
夏はとにかく蒸れる原因を取り除くのが第一。
枯葉は株元が蒸れる原因になるので、見つけたら取り除くようにしましょう。
枯葉は完全にカリカリになってから取ってね
枯葉といっても、葉の根元にまだ水分が残ってるような場合は取らなくても大丈夫です。
残りの水分は飲みかけの水のようなものなので、完全に飲みきってカリカリに枯れてから取り除くようにしましょう。
雨よけを作る
梅雨に入る前に、多肉植物が濡れないように雨よけを作っておくことをおすすめします。
多肉植物は多湿に弱いため、何日も雨ざらしにすることはあまり好ましくありません。
雨ざらしでいくつもダメにしてきました。。。
そのため、雨を避けられるような場所に置いておく方が安心です。
もし屋根などがない場所に置いている場合は、梅雨に入る前に雨よけを作ったり、雨を避けられる場所を確保しておくようにしましょう。
また、雨よけを設置する際に注意することは、風を遮らないように設置することです。
できれば四方の空間を開け、風の通りを良くしておきます。
ビニールで完全に囲ってしまうのはNG
風の通りを遮ってしまうと蒸れる原因になるので、できるだけ風通しの良い方法で雨よけするようにしましょう。
まとめ
ということで今回は、多肉植物の夏の育て方についてご紹介しました。
夏は多肉植物にとって過酷な季節になるため、なるべくストレスのない状態にしてあげることが大切です。
植え替えなど根をいじるお手入れは苗にストレスがかかるため、夏の間はなるべく控え、涼しくなる9月ごろまで待ってから行うようにしましょう。
とはいえ、一つも枯らさずに夏を乗り切るのは至難の業です。。。
もう何年も多肉植物を育てていますが、今まで一つも枯らさなかった夏はありません。
去年は確か20個くらいはダメにしてしまい、「育てるのヘタクソだなー」とめげる時もありました。
でも夏は怖いことばかりではないですし、虫や病気にやられても素早く処置すれば助かることも多いです。
こんなにジュレまくっても適切な処置をすれば・・・
助かるどころか増えました(笑)
葉っぱからも芽が出ますよ♪
夏の管理で一番大切なことは毎日観察することだと思っています。
何かトラブルがあっても素早く気付いて素早く対処すれば怖くありません。
葉っぱ一枚残れば復活する可能性があります。
もちろんダメになってしまう時もありますが、枯らさないために自分で色々と試してみて最適な方法を探ることが大切であり、そこが多肉植物を育てる楽しさでもあります。
病気や虫を恐れず、夏の多肉植物を楽しんでお世話していきましょう!
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