多肉植物を育てていく上で管理が難しいとされているのが水やりです。
多肉植物は葉に水分を蓄えているため、他の植物とは水やりの考え方が少し異なります。
そして、水やりでよくある失敗が水のやりすぎです。
場合によっては枯れてしまう原因にもなるので水のやりすぎには注意していきたいものですが、多肉植物を育て始めたばかりの方にとっては水をあげすぎているのかどうかも分からないという方も多いのではないでしょうか?
水をやりすぎるとどうなってしまうのかを知っておくことも大事ですよね
そこで今回は、水のやりすぎによって多肉植物に起こる変化と、水をやりすぎてしまった時の対処法や枯らさないためのコツについてご紹介したいと思います。
私は現在およそ800苗の多肉植物を育てていますが、今までいくつもの苗を水のやりすぎで枯らしてしまった経験があります。
現在もまだまだ失敗することはありますが、そのような経験の中で水のやりすぎによって多肉植物がどのようなダメージを受けるのか、またどのようにしたら枯らさずに済むのかなどを学んできました。
この記事では、私の経験に基づいて水のやりすぎについて詳しく解説していきますので、つい水をやりすぎてしまう方、水のやりすぎで苗が傷んだ場合どうすれば良いのか分からないという方はぜひ参考にしてみて下さい。
水をやりすぎると枯れる原因になる
水をやりすぎると具体的に多肉植物にどのような変化が起こるのか理解しておくことはとても大事なことです。
場合によっては枯れてしまうことにも繋がるのでしっかり把握しておこう!
水やり頻度が多く、常に鉢の中の土が湿っていると根腐れを起こすことがあります。
根腐れを起こすと根が機能しなくなり、花や観葉植物の場合は致命傷になりがちです。
しかし多肉植物の場合は根が機能しなくなり水が吸えなくなっても、自身の葉に蓄えた水を使って生きることができるため、すぐに枯れてしまうようなことはありません。
根が腐った場合は根を切り落とし、茎からまた新しい根が生えてくるのを待ちます。
季節によって新しい根が生えてくるスピードは変わりますが、だいたい2週間ほどで新しい根が生えてきます。
新しい根が生えてくればもう安心♪
根腐れよりも怖いのは、蒸れや菌によって葉や茎が腐ってしまうことです。
水分を多く含む多肉植物の葉は、常に土が湿っていると蒸れを起こし、葉が黒ずんでぶよぶよに腐ってしまうことがあります。
しかもそれが株全体に広がってしまうと、あっという間に枯れてしまう場合も多々あります。
つい先日、雨に数日間当たってしまいこのように蒸れて葉が腐ってしまいました。
雨に当たることは問題ないのですが、数日間濡れてしまったことと、気温が夏日程度まで上がったことが蒸れの原因だったのではと推測しています。
特に肉厚な子は蒸れに要注意
葉にたっぷりと水分を含んでいる肉厚な苗は蒸れやすいので特に注意が必要です。
葉がぶよぶよに腐るだけなら葉を取ってしまえば問題ないですが、茎まで黒く腐ってしまうと一気に広がってしまうので、葉の色が変色しているのを見付けたら早めに取り除くようにすることが大切です。
▼蒸れについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
≫【多肉植物】なぜ蒸れる?原因・対処法・予防法を徹底解説!
水をやりすぎているサイン
多肉植物の水やり頻度が多かったり、乾きづらい土にたっぷりの水をあげて何日も土が湿っているような状態になると苗に変化が起こります。
葉が変色したり腐ってしまうことの他にもいくつかのサインを出してくるので、それらのサインを見付けたら水のやり方を見直したほうが良いかもしれません。
次のサインを見逃さないようにしよう!
これらの症状は水のやりすぎだけでなく、他のことが原因で起こる場合もありますが、枯れてしまっては遅いのでできるだけ早く気付いて対処してあげることが大切です。
水をやりすぎてしまった時の対処法
水のやりすぎによって葉がぶよぶよしたり、茎が黒くなってしまったのを見付けたらショックを受けるし少し焦ってしまいますよね。
そんな時はどう対処すればいいのか、詳しく説明していきます!
とにかく苗を乾燥させる!
葉がぶよぶよ柔らかくなっていたり変色している場合は、まずはその葉を取り去り、しばらく水やりを控えてみましょう。
それでも症状がおさまらない場合は、鉢から取り出して早く土を乾燥させるようにしましょう
このまま、直射日光が当たらない風通しの良い場所に置いておきます。
この時点で葉の腐敗の進行がおさまることが多いと感じています!
3日ほど乾かして、症状が進んでいないようなら鉢に戻します。
水やりは1週間程度様子を見てからあげるようにしましょう。
乾かす前に、苗をベニカスプレーで殺菌しておくと安心です。
茎が黒くなったら早めにカット!
葉が腐っただけでなく茎も黒くなってしまった場合は、株全体に広がる前に早めに黒い部分をカットします。
茎の黒い部分が完全になくなるまでカットしよう!
カットしても断面が黒ければ更にカットして、茎が完全に白くなるまで傷んだ部分をカットすることが重要です。
少しでも黒い部分が残っているとそこからまた症状が進行してしまうので要注意です!
ここまできれいにカットできれば安心です。
念のため、ベニカスプレーを吹きかけて切り口を乾燥させます。
乾燥したら土の上に置いて根が生えてくるのを待つだけです。
カットしてから2週間ほどで根が生えてきました。
絶対に必要というわけではないですが、切り口にルートンという発根促進剤を塗布すると立派な根っこが生えてきます。
このように、株全体に被害が広がってなければ多肉植物は復活できます。
そのためには、早めに症状を発見し早めに処置してあげることが大切です。
水のやりすぎによって枯らさないコツ
水のやりすぎに注意していても失敗は付きものです。
つい水をやりすぎてしまったり、全然土が乾かないという状況になることもあります。
そんなことになっても苗が枯れないように私が心掛けていること、実践していることを3つご紹介していきます。
水はけの良い土を使う
多肉植物を植える土は、過剰な水を排出できるよう水はけの良い土を使うようにします。
水はけの良い土を使うことによって土の乾きが早くなり、多少水をやりすぎてもいつまでも土が乾かないというような状況に陥りにくくなります。
水はけの良い土とは、水をあげたらすぐにサッと鉢底から流れ出てくるような土のことをいいます
また、土がすぐに乾くように水の量は少しの方が良いのかなと思いがちですが、生育期なら水は底穴から流れ出るくらいたっぷりあげても大丈夫です。
重要なのは、たっぷり水をあげても土が乾きやすいように水はけの良い土を使っておくことが大事なんです。
▼私がおすすめする水はけの良い土はこちらの記事でご紹介しています
≫多肉植物の土は何が良い?初心者さんにおすすめする市販の多肉植物専用の土
雨ざらしを避ける
多肉植物を屋根のない場所に置いて雨ざらしで管理することはあまりおすすめできません。
もちろん不可能ではないですし、品種によっては雨ざらしでも元気に育つものはありますが、蒸れが苦手な多肉植物が長雨に当たったりなどして水分管理ができなくなると、いくら水はけの良い土を使っていてもいつまでも土が乾かず腐る原因になってしまいます。
多肉植物は雨よけできる場所に置き、水分のコントロールができるようにして管理するのが安全です。
軒下などに置くのが理想的ですね
ちなみに、葉に水がかかると腐ってしまうと思われている方が意外と多いのですが、水が葉にかかっても腐ることはありません。
私はシャワーでガンガンに水をかけています。
ただし可能性として、シャワーをかけた後に夏の暑い日差しに苗を当てれば蒸れて葉にダメージを負うことはあるかもしれません。
そこで多くのタニラーさんは水やり後に、「しゅぽしゅぽ」と呼ばれるブロアーを使って葉の水滴を吹き飛ばしています。
必ずやらなければならないことではないですが、苗を傷める可能性を少しでも減らせますし、ブロアーは100均でも販売されていて気軽に購入できるので、一つ持っておくと安心かなと思います。
苗に異変を見付けたら素早く処置する
葉がぶよぶよと柔らかくなっていたり、黄色や黒に変色しているのを見付けたらまずはその苗を手に取ってよく観察してみましょう。
葉っぱが1枚柔らかくなっているだけなら大丈夫なことが多いですが、何枚もぶよぶよしていたり葉がポロポロと落ちてしまうようなら要注意です。
すぐに腐った葉を取り、茎に黒い部分があればきれいに取り除いてあげましょう。
根っこはまた生えてくるので躊躇せずカットしましょう!
何の処置もせずに放置してしまうと手遅れになってしまうことがあるので、とにかく早く処置することが大切です。
まとめ
ということで、今回は水のやりすぎによって多肉植物に起こる変化と、水をやりすぎてしまった時の対処法や枯らさないためのコツについてご紹介しました。
水のやりすぎを防ぐには適切な頻度で水やりをすることが大切です。
多肉植物の水やり頻度については色々な考え方があり、「土が乾いたらあげる」「週に○回あげる」などが言われていますが、育てる環境により水やりの頻度は異なります。
一日を通して日がよく当たり、風通しの良い場所では土の乾きが早くなりますが、日陰になる時間が多く空気がこもるような場所では土の乾きが遅くなります。
こうした環境の違いによって水やり頻度は異なるため、一概に週に何回すればいいということは言えません。
でも、簡単に水やりのタイミングを調べる方法はあります!
適切な水やりのタイミングを計るには、葉の硬さを確認してから水やりを行うことをおすすめします。
葉を触ってみて、硬いと感じたらまだ充分に水分を溜め込んでいるので水やりしなくても大丈夫ですが、柔らかいと感じたら水分が抜けてきているので水やりのタイミングになります。
▼水やりのタイミングについてはこちらの記事で詳しく説明しています
≫多肉植物の水やり頻度や量はどのくらい?水をあげるタイミングの見極め方
水やりの加減や頻度については、自分も含め難しいと感じる方が多いと思いますが、もし失敗しても落ち込む必要は全然ありません。
ベテランのタニラーさんでも失敗することはありますし、失敗を重ねることで新たな気付きがたくさんあるので無駄にはなりません。
私がそうだったように、たくさん失敗して学ぶことで、多肉植物を育てる楽しさを味わってほしいと思います。
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